トリュフの中学受験備忘録

【トリュフ】小●百合子知事に似た、色白太目の長男。運動音痴で左利きAB型。幼少期より療育を受け、反抗期も始まる 【おはぎ】トリュフの母。色白美人で穏やかだが、昼食におはぎを出し野菜に火を通してくれない。中学受験歴なし。公立中→公立高→私大 【私】トリュフの父。家族にパワハラをかまし気味の会社員。中学受験歴なし公立中→私立高→国公立大

小5 9月 作文授業原稿用紙の向きが反対

 トリュフはとにかくいいかげんな性格です。ノートはマス目の中に書けません。そもそも授業内容、板書をノートに写したことがありません。これまで見てこなかったのが失敗でした。

 トリュフが通っている塾は、5年生は理系(算数、理科)算数演習(算数)、作文・文系の週3回通いです。特に文系では歴史や地図記号の暗記や漢字テストの暗記をしません。作文は字が汚くて読めない、などの指摘を受けますが、極めつけは「原稿用紙の上下が逆」というものです。塾のマークが印字されているのが下なのですが、何度指摘されてもマークを上にしてしまい、指摘されています。

 なぜ繰り返すのか、全く分かりません。書き直しも提出していないようで、塾からは早くも見捨てられたような気がしてなりません。

初の塾の3者面談。「学力差がありすぎる」 小5 夏期講習

 夏期講習の終盤、塾長による個別面談があります。塾長はおそらく20代後半で私よりずっと若い男性で、熱血指導をする感じの人です。トリュフ、私、塾長の3人で15分ほど。塾長からの主なやりとりは以下のようなものでした。

塾長「ほかの子との学力の差がありすぎますね。小テストは満点を義務としていますが、全くできていないのはどういうことでしょうか」
私「申し訳ありません。まだ学校で習っていないところも多く、苦戦しているようです」

塾長「君はがんばりが必要なことわかっているよね?」

トリュフ「はい」

塾長「君が受けたい学校は、●人の定員に▲人が応募します。倍率は何倍か分かりますか」

トリュフ「100倍?」(おい!)

塾長「6倍です。うちの塾からは2人受かって2人落ちました。かれらは一生懸命毎日勉強して、終わったあとは受かった子も落ちたこも泣いていました。そこまでがんばれますか?」

トリュフ「え、毎日?」(あ、やっぱり)

塾長「そう。そこまでやっても受からないぐらいのところです。タダじゃないです。お金はものすごくかかります。それをかけさせてまで、がんばれますか?」

トリュフ「…」

塾長「まず、板書をノートに書いてください。ノートは罫線に合わせてちゃんと書いてください。そこからスタートです。君は授業中、ノートを取らないんですか」

トリュフ「はい。学校の授業は簡単なので」

塾長「ノートづくりを考えてください」

トリュフ「はい」

塾長「あと、よく授業中にぼーっとしているよね」

トリュフ「ごめんなさい」

私「ちなみに、復習メーンですか?」

塾長「とにかく復習をしてください。その日のうちか、遅くとも翌日までにはやってくさだい」

 

勉強の習慣のないトリュフを、なんてところに投げ込んでしまったのだろうか。私は「毎日復習しろ」といい、土日も問わず2時間以上の勉強や塾の復習を課しました。もちろん、小テストも満点を取るように努力させました。これがのちに悲劇につながるのですが、それはまた。

小テストに大苦戦 小5 8月 夏期講習

 塾では毎日、前日にやった内容の小テストがあります。夏期講習は漢字、社会、算数の3科目。トリュフはこれまで自宅学習などろくにやったことがないので、復習の仕方、小テストの準備という概念を持ち合わせていません。そもそも、授業中にノートを取らないので、授業内容が頭に入っているかどうかも怪しいものです。

 当然、小テストの出来は惨憺たるものでした。初回は漢字は半分ぐらい。社会は2割ぐらい、算数は0点だった。社会を担当している塾の校長からテストに「答えが分かっているテストでこの成績なのはサボりです。才能は関係ないよね」と厳しい指摘を受けました。授業で行われる「作文」の演習も、添削を受けて書き直しを提出しOKをもらわなければならないのですが、トリュフはやらずに、塾から帰宅してゲームばかりしていました。翌日の作文には「添削をしても書き直しが提出されません。納得のいく答えを求めます」と書かれていました。

 私は激怒して「やれよ」「もうやめちまえ」などとパワハラかましてしまいました。大いに反省しています。夏期講習の期間に、トリュフは漢字で満点を取れるようになりましたが、社会と算数はやり直しの嵐でした。

三途の川を渡ったトリュフ 小5 8月某日 近所の受験塾の夏期講習に参加

 2月から受験塾で新6年生のクラスがスタートしたということで、備忘録として中学受験の記録を記していこうと思います。かなり厳しい条件でスタートしているので、いきなり断念とかも十分ありえます。

 トリュフの中学受験を決意したのは、なんのとりえも見当たらない彼がいちばん楽に生きていけるのは、勉強ができるようになることだと考えたからです。勉強なら運動や特技と違って日本一でなくてもよく、よい学校にいくことで、よい仲間と出会いチャンスを広げていってくれたらよいと思っています。精一杯努力して成長する喜びを見出してくれれば、受験は成功だと考えています。

 トリュフは絶望的な運動音痴で、マラソン大会は1年ビリ、2年ブービー、3年ブービー、4年ビリという成績。縄跳びは二重飛びもできない。握力もない。ほかに特技という特技も見当たらない。太っているコにありがちであきらめやすく、ゲーム中毒のけがあります。さらに性格にも難がある。自己中心的で同級生との口論や殴り合いなどトラブルが絶えず、保育園に通いながら療育に行き、小学校でも週1で同様の教育を受け、カウンセラーのもとにも足を運んだ。成績も悪く、よくできるが2つ、できるが5つ、ほかがもう少しというヤバい感じです。

 さらに反抗期も始まっていて、なにかにつけ反論してサボろうとします。トリュフの母、おはぎも毎日ストレスをためています。

 

 でも、中学受験をやると決めました。本人も「いまはできないがのし上がってやる」と口先では意気込んでいます。

 前置きが長くなりました。塾は自転車で5~10分で行ける中学受験塾を選びました。電車で通う距離だと、塾に行かせるのに一苦労しそうなうえ、本人の睡眠時間が削られると考えたからです。

 

 早速ぶち当たったのが、スタート遅れもある。学力の壁です。中学受験は小3、小4から始めることが多く、小5の夏からスタートするトリュフはハンデを負っています。初日の分数の四則計算、漢字が全くできません。なんせ、分数の掛け算すら習ってにないのに、カッコも交えた四則計算の順序が分からないと全く解けない計算が出てくるのです。ちんぷんかんぷんなのも無理はありません。授業内容も、学校でまだ習っていないおうぎ形の周の長さや面積の発展問題、数列、規則性など、塾に通っていた子は理解しているのに、トリュフには初出の問題を駆け足でやらされるわけです。もう涙目です。

 さらに衝撃の事実も発覚しました。トリュフは、授業中、全く板書をノートに写さないのです。聞くと、学校でも同じだそうです。ノートのマス目に合わせて字を書くこともしません。こりゃまずい。

 

我が家は地獄への門を開いてしまったのかもしれません。